【心理塾】「問題」はつくられる

例えば、子どもが泣いて訴える場面。
言葉の発達途上の子どもにとっては、
泣くことは、大切なコミュニケーション手段。
それなのに、家庭の内外で
「うるさい。泣かせるな。しつけがなってない」
なんて言葉がとんでくる。
あるいは、
子どもが泣くのは当たり前のこととしつつも
「親があやすこともしないなんて、どうかと思う」
といった言葉も。

そうした周囲の目を気にして、
何とか泣き止ませようと試みたり、
「すみません」と謝ったりと
肩身の狭い思いをする親御さんの声があがります。

子どもが泣くのは、自然なことで
ましてや、問題などではありません。
それを「うるさい」「しつけの問題だ」と
問題でないことを「問題」と捉えることで、
問題とされた側が、一方的に追い込まれることが往々にしてあります。

問題はつくられるもの。

そう考えると、
「子どもが泣き止まないなんて愛情不足」
「辞めても転職なんてできない。逃げるな」
「好きなことで仕事なんてできる訳がない」
「稼ぎたいなんて卑しい」
「どうせ自分なんて」等々
「問題」と思っているようなことも、
実はただの言説だった、
相手に都合のいい思い込みだった、
そんなことがあります。

問題は、都合よくつくあげることができます。
そうして、困難な状況に対して思考停止できる。
関わらないでいられる。
そのときはやり過ごすことができるかもしれない。
でも、それで解決なのでしょうか?