【心理塾】「傷つき」と向き合って

クライエントのなかには、
これまでの様々な場面で、
無数に傷つけられてきた半生を
勇気をもって告白される方がいます。

何だかよくわからないけれど、
満たされない。物足りない感じ。
ちょっとしたことにイライラする。
もっと言うと、
自分の人生を生きられていないような感じ。
なかには
「自分はアダルト・チルドレンかもしれない」と訴える方もいます。

つまり、傷ついてきた生い立ちが
現在にも影響しているとの訴えです。
こうしたその語りは、
自分の人生にもかかわらず、
その主役を奪われてしまった恨み節のようにも感じることも。

それは、当然の訴えでしょう。
まだ親からの自立には早すぎる頃に、
両親間の確執やDV、あるいは虐待など、
家庭内の緊張状態を
「いい子」や「ピエロ」になって、何とかやり過ごしてきたかもしれません。
あるいは、両親の離婚をめぐり、片方の親から味方につくように
もう一方の親のひどい批判を吹き込まれ、大変な混乱を抱えてきたかもしれません。
また、家庭内は問題がなくても、
ひょんなことから、仲間外れにされて、ひとりぼっちの寂しさを抱えながらも、
これ以上傷つかないように、身動きがとれないでいるかもしれません。
いずれにしても「 自分の人生を生きられなかった 」叫びが聞こえるようです。

悲痛な叫びをあげるクライエントに、
どんなサービスが求められているでしょうか。

まずは、
クライエントが抱えてきた傷つきに、真摯に向き合うこと。
そうでなければ、「専門家でもわかってくれないんだ」とクライエントの孤独感を
さらに深めることにもなりかねません。

加えて、その生い立ちに思いを馳せると、
今後も、自分の人生なのに誰の人生なのかも分からないまま、変えようがないと、
無気力に思い込んでいるかもしれません。
心理カウンセラーとしては、
この思い込みに加えて、他の選択肢があると気づいてもらうことに
ニーズが見出せそうです。

「カウンセリングでは、自己理解をする」とよく説明されますが、
こうしたケースで特に強く意識します。
クライエントが
「自分の人生」を生きていくためには、
どんな知恵や工夫を使って、生き抜いてきたのか、
人生を歩むためには何が役に立つのか、
自己理解なしには、進めていかれないからです。

日ごろの細々したことから、今後の人生まで
自分のために選択していくことは、
素晴らしいことばかりではありません。
むしろ、自分で決めていくことによって、
覚悟と責任を負うこともあるかもしれません。
それでも、
誰のものでもない自分の人生を歩む満足感は
何物にも代えがたいものではないでしょうか。

クライエントが自分自身を知り、
自分の人生を切りひらいていく
そのお手伝いをしたいですね。

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